FXでの利益が増えてきて嬉しい想いと反面に、確定申告が頭を過ぎっているという方も少なくないのではないでしょうか。
現在、確定申告はe-taxというソフトを利用することで、以前と比べて断然ハードルは下がってきているので、ぜひ安心してください。
そこで今回は、サラリーマンで確定申告もしたこと無いような方でも簡単に確定申告を行えるように、必要な準備と手順について解説をしていきます。
読み進めたころには、「意外と確定申告ってこんなもんなんだ!」と感じていただけると思いますので、ひとつひとつ悩みを解消させていきましょう。
FX取引で確定申告が必要になるのはどんな人?2つのポイントを抑えておこう!
サラリーマンであれば、勤務先の会社で年末調整という手続きを行ってくれるため、給与をもらっているだけならば確定申告は必要ありません。
しかし、FX取引を行っているとその年の所得金額によって確定申告をする必要が出てきます。
もし、確定申告対象者にも関わらず行わなかった場合には、いわゆる脱税行為になってしまうので、要件についてここでしっかりと確認しておきましょう。
サラリーマンで確定申告が必要となる目安は20万円以上
まず確定申告が必要となる基準は、年間所得で20万円以上とされています。
「所得」という言葉はもしかしたら聞き馴染みのない表現かもしれませんが、要するにFX取引で得た利益から手数料などの経費を差し引いた手元に残る金額のことを指しています。
この金額が年間で20万円を超える場合には、税金の支払いが発生するため確定申告が必要となります。
利益がマイナスならサラリーマンでも確定申告は済ませておくべし!
FX取引で損失を出している場合、確定申告をすることでこの損失を翌年以降に繰り越す「損失の繰越控除」という制度を活用することができます。
この場合、翌年に所得がプラスになった際に昨年の損失を充当することができます。
最大3年間まで損失を繰り越すことができるので、1年で損失を使い切れなくてもまた翌年度に残額分の控除を受けることができます。
ただしこの制度を利用する場合には、確定申告をしなければいけないので、確定申告について、いまのうちに抑えておきましょう。
FX取引者がe-taxで確定申告するための準備とは?
FX取引で確定申告が必要になったら、e-taxというソフトウェアを使用して確定申告を進めていくのがおすすめです。
ただし、e-taxを利用して確定申告するためには、いくつか事前に準備をしておく必要があります。
ここからはe-taxで確定申告を行うために備えておきたい準備物や手順を解説していきます。
確定申告の提出方法は大きく分けて3種類
確定申告書等作成コーナーというページで作成したあとの提出方法は、上記画像の3種類になります。
e-tax上で電子申告を行うためには、「マイナンバーカード方式」または「ID・パスワード方式」いずれかを選択して確定申告を進めます。
これさえ見ておけば確定申告も怖くない!e-tax確定申告・方法別準備編
次にe-taxで確定申告を進めていくために必要な主な準備物です。提出する方法によっても準備物が変わっていきます。
今後推奨されている「マイナンバーカード方式」はICカードリーダーが必須
マイナンバーカード方式を使って確定申告を行う際には、ICチップの情報を読み込むためのICカードリーダーが必要となります。
ICカードリーダーを用意する際に注意しておきたいのは、マイナンバーカードの読み取り可能と記載されている製品を選ぶことです。
また令和3年1月以降には、パソコンとスマホを連携することでスマホをICカードリーダー代わりに使うことができるサービスが順次展開される予定になっています。
ID・パスワード方式はマイナンバーカード無しでも申告OK
マイナンバーカードとICカードリーダーの普及が広まるまでの暫定的な方法として使われているのが「ID・パスワード方式」です。
まだ通知カードしか持っていないが、電子申告を行いたい場合にはこの方式を使って確定申告を行うことになります。
IDとパスワードを取得するためには、税務署に出向いて、職員からの本人確認手続きを取る必要があります。
合わせて利用者識別番号が作成時に必要になりますので、税務署で取得し忘れないようにしましょう。
郵送または税務署への持ち込み、準備書類が増えてしまう印刷提出
こちらは電子申告ではなく、書類で確定申告を進めていく方法になります。
作成自体は「確定申告書等作成コーナー」で手軽に申告書を作成できますが、各種必要な資料を書面で合わせて提出する必要があります。
各自で控えを取っておいたり、郵送封筒や印刷の手間を考えると電子申告よりも手間がかかってしまうというデメリットもあります。
サラリーマンがFX取引で確定申告をする際に必要な書類集め編
次に、FX取引を行っているサラリーマンが確定申告を行う場合に必要となる書類を確認しておきましょう。
いまのうちにどのように取得するのか確認しておくとスムーズに進めることができます。
- 年間損益報告書
- 源泉徴収票(会社から渡される)
- 各種経費の領収書等
源泉徴収票は勤務先の会社から受領可能。ただし受領時期は要確認
源泉徴収票については、会社から渡されるものになります。会社によって受領できる時期は異なりますので、人事や経理担当者に事前に確認しておくと良いでしょう。
というのも、企業の管理部門が整えられている企業であれば、毎年年末調整という手続きをされていると思います。
まだそういった体制を整えていないような会社ではこういった業務が抜けてしまっている会社も多少なりとも存在しています。
そのため、しっかりと担当者に確認しておいたほうが、確定申告の時期に焦ってしまうことも無くなります。
年間損益報告書は自分で取得するものと心得ておくべし
年間損益報告書については、各FX会社によって多少呼び名が異なるかもしれませんが、要するに1年間の取引の結果としてどのくらい利益が出たのかを示す書類になります。
とても親切なFX会社はなにも言わずに郵送してくれるところもあるそうですが、基本的には自分でマイページなどからダウンロードしてデータを取得することになります。
お使いのFX会社ではどのようにしてデータを取得するのか確認しておくことをおすすめします。正式な書面として保管しておきたい方は、郵送対応してくれるのかも合わせて確認しておきましょう。
経費が発生している場合には、その領収書も準備が必要
FX取引を通じて経費が発生している場合にはその領収書も保管義務のある書類になりますので、準備をしておきましょう。
またFXとは少し離れますが、生命保険保険料の支払いや、医療費をある一定額支払っているなどいくつか確定申告時に税額控除につながるような事象がある場合には、同様に書類を準備しておく必要があります。
ここで挙げた準備書類については、書面提出時には提出を求められますし、申告者が保管して置かなければならない書類になります。
個人の場合は通常5年間。青色申告という制度を利用している場合には7年間の保管が義務付けられています。
e-taxを使用するためにパソコン・スマホのOSやブラウザのバージョンを確認
最後にe-taxを利用するために必要なパソコン・スマホの推奨環境について確認しておきましょう。
実は以前はMacOSから確定申告をすることができない仕様になっていたのですが、環境整備が進んでおり、MacOSやスマートフォンからの申告も可能になっています。
OS | ブラウザ | PDF閲覧 |
Microsoft Windows 8.1 | Internet Explorer 11 | Adobe Acrobat Reader DC |
Microsoft Windows 10 | Internet Explorer 11 Microsoft Edge HTML |
|
MacOS 10.12以降 | Safari 12.1 Safari 13.0 Safari 13.1 |
上記以外にも令和3年より「Google chrome」と最新版の「Microsoft Edge」が推奨環境に追加される予定になっています。
以前にe-taxで確定申告を挑戦しようとするも推奨環境に合わずに断念した方でも、現在ではそのハードルもかなり下がっているため、是非検討してみてほしいと思います。
サラリーマンでもこれさえ押さえれば確定申告も怖くない!FX取引者向け申告書作成編!要点ポイント
確定申告の作成手順については、準備さえ整っていれば提示された項目から選択または金額を打ち込んでいくことで、簡単に作成することができます。
1回コツを掴んでしまえば、難しい作業ではありませんので、以下に挙げる要点を抑えてサクサク確定申告を進めていきましょう。
- 準備編で挙げた準備物一覧を揃える
- 確定申告するのは「所得税」
- 源泉徴収票に従って給与所得の入力
- FX取引は「先物取引に係る雑所得等」に該当
- 所得控除は種類も多いので、関係ありそうなところは抑えておく
これから作成するのは「所得税」の申告書
すでにご存知の方も多いかもしれませんが、これから行うのは所得税に関する確定申告書の作成になります。
というのも作成画面時に上記のような選択画面が出てきますので、誤った選択をしないようすすめていきましょう。
まずは源泉徴収票に従って給与所得の入力を進める
先程の画面で所得税を選択すると上記の画面になります。ここからまずは給与所得の入力を進めていくのですが、FX取引による所得は「雑所得」に該当します。
そのため上記の画面では真ん中にあります「左記以外の所得のある方」を選択していきましょう。
生年月日等を入力すると所得金額の入力画面になります。
それでは給与所得の入力をはじめていきましょう。
まずは、手元にある源泉徴収票は年末調整が終わっているのか、終わっていないのか確認しましょう。
源泉徴収票の上部にある「給与所得控除後の金額」と「所得控除の額の合計額」の記載があれば年末調整済みの源泉徴収票になります。
あとは表示される画面に、ここの金額を入力してくださいと例示がされていますので、その例にしたがって金額を入力、または項目の選択を進めていくだけになります。
以前はこういった画面がなかったので、いちいち確認しながら入力していたのですが、今では非常に分かりやすくなっていて本当にありがたいです。
一番入力に迷うのがFX取引の所得金額の入力画面
給与所得の入力が終わりましたら、次にFX取引の所得を入力していきましょう。
先程の画面から下にスクロールすると「先物取引に係る雑所得等」という項目が出てきますので、ここから入力を進めていくことになります。
基本的には手元にある年間損益報告書の記載に合わせて入力を進めていくことになります。
要点を抑えていくと、以下のように入力を進めていきます。
- 所得区分は「雑所得」
- 取引の内容は、年間損益報告書内の文言を引用
- 収入欄には取引とスワップによって得られた金額を入力
- 必要経費等には、手数料や各種経費の金額を入力
所得控除は項目も多いが、該当しそうなところは「?」マークの詳細を見ながら入力していく
最後に所得控除の項目を入力していきます。
サラリーマンの方で年末調整を行っている場合には、給与所得の入力時に反映されていますので、ほとんど入力する項目はないと思います。
ご自身で所得控除の入力をしなければならない場合は、画面右側にどのように入力すれば良いのか詳細が記載されていますので、確認しながら入力を進めていきましょう。
例えば、ふるさと納税をされている方もこの画面で入力をしていくことになります。
ここまで入力が終われば所得税の申告書の確認画面になります。確認が終わり次第、あとは住民税に関する確認とマイナンバーの入力を行い作成が終了となります。
FX取引の確定申告におけるよくある質問Q&A
ここからは、FX取引の確定申告においてよく見受けられる疑問点についてまとめてみましたので、合わせてご確認ください。
確定申告の対象となる取引期間はいつからいつまで?
個人の取引の場合には、1月1日の午前7時から翌年の1月1日6時59分までの取引が対象となっています。
すなわち年初はじめの市場オープンから、年末最後の市場クローズまでが確定申告において対象となる期間になります。
複数の取引所で取引をしていたり、他の金融取引をしている場合はどうするの?
FX取引については、「先物取引に係る雑所得等」に該当していますので、その他の先物取引と損益を合算することができます。これを損益通算と呼びます。
そのため複数の取引所で取引してたり、商品先物や株価指数先物等の先物取引を行っている場合には、その全部の年間損益報告書を取得して計算を行っていきます。
注意が必要なのは、1つだけ見れば所得は20万以下になるが、複数合わせると20万円を超えてしまう場合は確定申告の対象となってしまいます。
その反対に、片方は利益が出ているがもう片方で損失が出ていて、合計するとマイナスになる場合には、損失繰越を利用することができます。
未決済ポジションの含み益やスワップがある場合はどうするの?
個人の場合には、未決済ポジションの含み益(いわゆる評価損益)やスワップポイントは課税対象ではないとされています。
すなわち、年末最後の市場クローズ時点で決済が終了しているもののに計算対象となります。
FX取引の確定申告を知らないと思わぬ出費に繋がってしまうことも・・・。
今回はFX取引を行っている方が確定申告する場合に必要な準備と手順に焦点を当てて解説してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。
最初の準備、とくに初年度の準備については少々大変な部分もあるかもしれませんが、慣れてしまえば何も難しいことはなく、本記事を改めて読み返していただければスムーズに進めることができると思います。
確定申告なんてそんな面倒なことはしたくない、黙っていればバレないだろうと確定申告を行うべき人が行わなければ、発覚したときの跳ね返りはとても大きく、事象によっては社会的な信用の喪失に繋がります。要は脱税になってしまいますからね。
確定申告と聞くだけで拒否反応を起してしまう方もいらっしゃると思いますが、今回の記事を参考にして、まずはそこまで大変なものではない。
しっかりと早めに準備をしておけばなんてことないということだけでもおわかりいただけたら幸いです。
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