FXの専門用語に「ナンピン」というものがありますが、FXを始めたばかりの方にとってはイマイチどういうものか分からないものだと思います。
ただこれは上級者レベルのテクニックとされており、初心者にはあまりおすすめできない手法です。
そこで今回はナンピンの意味から、どうして初心者におすすめできないのかなどを詳しく開設していきたいと思います。
FXの「ナンピン(難平)」とは何か
ナンピン(難平)とは、FXの売買手法の一つで、保有しているポジションに評価損が出た時、新たにポジションを保有することで、平均コストを下げる行為です。
ナンピンは平均購入価格を有利にする手法
少し分かりづらいので、例を挙げて解説しましょう。
例えば1ドル=100円で1万ドルを買ったとします。
その後、1ドル=98円まで下がった場合、含み損が出てしまいますよね。
この時、1ドル=98円で同じ数量分のポジションを買い足せば平均購入価格は(100+98)÷2=99円になるので、相場が100円に戻るのを待つことなく、99円よりも上昇することで利益を得られるようになります。
これがナンピンの仕組みです。
ナンピンの言葉の由来
難平は「難を平らにする」、すなわち「損を平均化する」ことを指しており、江戸時代のコメ相場における用語が起源になっていると言われています。
ナンピンとカタカナで書くと分かりづらいですが、漢字を思い浮かべると覚えやすくなりそうですね。
FX初心者はナンピンに手を出さないようにしよう
平均購入価格を下げて有利なレートのポジションを買い足すことで損失を回避できるナンピンは一見魅力的な手法のように思えますが、その裏にはかなりのリスクがあります。
そのため、初心者の方はこれから解説する2つの大きなデメリットを知っておくといいでしょう。
豊富な資金が必要
まず、平均購入価格を下げようと思えば、それなりの大きな資金が必要になってきます。
そして資金が枯渇してしまうと、ナンピンすらできなくなってしまいますし、ポジションをどんどん増やしたとしてもナンピンが上手く成功するかの補償もありません。
また、損切のタイミングを見失ってしまえば、損失を回避するためにポジションをどんどん買い足す→なかなか平均購入価格が下がらず含み損が小さくならない→さらにポジションを買い足すという悪循環に陥ってしまうため、注意が必要です。
損失のリスクが高まってしまう
最大のデメリットとして、損失のリスクがかなり高まってしまうことが挙げられます。
ナンピンをすればするほど、保有するポジションは増えますよね。
もし最初に1千ドルを保有していたとして、損失が出たためナンピンをするためにポジションを1万ドルに増やしたとしましょう。
その場合、損失のリスクも単純に10倍の速度で膨むことになりますし、また損切タイミングも見失えば、図のようにずるずるとポジションを買い足して、その分損失を拡大させてしまうことになってしまいます。
含み損を無しにしたい気持ちはわかりますが、リスクの方が大きいので、潔く損切するのがいいでしょう。
実は必勝法?正しいナンピンのやり方
ただ、ナンピンはデメリットばかりではないので、正しい手法で行えば利益を狙えるようになります。
徹底したリスクコントロールと綿密な戦略を立てた上で行えば
もちろんこれは上級者テクニックなので、FX初心者の方は「こういうのもあるんだね」と理解する程度にとどめておいてくださいね。
上昇トレンドの押し目でナンピンを行う
「ここから相場は上昇するぞ」と読んだものの、下降トレンドになってしまったら、ナンピンをしても効果は無く、損失がどんどん膨らんでいくだけです。
ただ、上昇トレンド中に押し目(上げ相場が一時的に下がる時)でナンピンを使えば有利なポジションを得ることができます。
というのも、上昇トレンドでは常に相場が上昇していくわけではなく、細かな上下の価格変動を繰り返しながら右肩上がりに上昇していきますよね。
この上昇トレンドの中で発生する一時的な相場の下降、つまり押し目でナンピンを行えば高確率で相場は再上昇していくので有利なポジションを得ることができます。
損切でナンピンをするよりも、有利なポジションを持つためにナンピンをしていけば利益を狙えるのでおすすめです。
長期運用で積立投資としてナンピンを行う
短期で取引をして利益を狙うというより、長期的な積立として価格が下がっても淡々と購入する方法です。
この場合のナンピンの目的は、損失を回避するというよりかは、積立でポジションを増やしていくというもの。
ただ、積立FXとなると、一般的なFXとは特徴が異なり、資産運用の知識も必要になってくるということを覚えておいてくださいね。
まとめ
ナンピンは平均購入価格を有利にする高度なテクニックだということを紹介してきました。
「ちょっと損失が出たからナンピンしてプラスにしよう」と何の戦略を持たないままナンピンをした結果、かえって大きな損失を生み出してしまう可能性があるので、あまり活用しないようにしましょう。
兎にも角にも、FXでトレードをする上では、自分ルールを設けることが一番大切です。
思いつきで手当たり次第にトレードをするより、戦略と分析を経たうえで利益を狙っていけるようにしましょう。
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